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2006年06月21日
◎ビッグマック指数で円、元とも過小評価

もっとも有名な購買力平価である「ビッグマック指数」の最新データが先日英『エコノミスト』誌に発表された。
それによると、ドル/円の均衡レートはなんと80円台。1995年4月につけたドル/円最安値に近いレベルとなった。それが正しいかどうかは別にしても、現在推移している113〜114円台の相場水準はやはりドル高・円安気味であるのかも知れない。

ご存知の方が多いと思うが、購買力平価とは2国における品質が同じ、同一商品の価格を比較して為替の均衡レートを算出する方法。もう少し具体的に説明すると、例えばアメリカでは1ドルで売られていたある商品が日本では150円の定価を付けられていたとすれば、ある商品を介し「1ドルと150円はイコールである」といっても間違いではない---という考え方だ。
その「ある商品」を世界各国で販売されているマクドナルドのビッグマックに置き換えたものが「ビッグマック指数」である。

ともかく、その最新データが先日の英『エコノミスト』誌に発表され、それによると米国では3・10ドルのビッグマックが日本では250円で販売されているようだ。つまりビッグマックを介し、3・10ドル=250円という等式が成り立つわけで、それを計算すると1ドルは実に80・65円となる。
1995年4月にドル/円相場が示現した79・75円のドル・ヒストリカルローに近いレートが均衡点であり、現在のレベルはかなり円が割安な状況になっていると言えそうだ。

一方、日本と米国以外の関係についても見てみると、目を引く国がひとつある。それは中国のビッグマック販売価格だ。前述したように、米国では3・10ドルのビッグマックが、中国では10・5人民元で販売されているという。
それからすると、1ドルはおよそ3・4人民元程度が均衡レートということになるが、ご承知のように人民元は昨年7月に通貨切り上げをしたとは言え、それでも8・0人民元前後での値動きに留まっている。比率に換算すると、人民元は6割近くも過小評価、割安と言うことになる計算だ。

これでは米国サイドが人民元の切り上げをいまだに強く望むこともヤムなしと言えるかも知れない。(了)



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