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2006年12月20日
◎人民元動向要注意、週末に掛け米中でバトル

ここ最近、中国人民元が強含みに推移している。また、いささか旧聞だが、先週末の欧米タイム、ドル/円が115円を割り込む過程では一部で「人民元切り上げ」についてのウワサが聞かれたとの指摘もある。

そんな人民元高の背景となっているものは、まず先月28日に実施された米中の首脳電話会談だろう。
一部報道によると、電話会談で中国の胡錦涛国家主席はブッシュ米大統領に対し、「米国との貿易関係をより均衡の取れたものにするよう努める」と述べたと言われている。その報道が「中国は貿易黒字削減のため、人民元の一段の上昇を容認する」---などといった観測・思惑へと繋がり、現在に至る人民元高の主因を担っている感を否めない。

前記したものだけであれば、現在のような思惑が台頭することはなかったのかも知れない。しかし折りしも、今月中旬にポールソン米財務長官を始めとする米代表団が訪中する予定となっていた。それが人民元の切り上げ思惑を、ことさら増長させたようだ。
そうした状況下、正式決定された米代表団を見てみると、ポールソン氏のほかにシュワブ米USTR代表、グティエレス商務長官、ボドマン・エネルギー長官---など錚々たる顔ぶれを見ることが出来る。またバーナンキFRB議長も米代表団に加わる可能性があるという。

いずれにしても、米代表団のメンバーはそれぞれ中国高官などとの会談を断続的にこなしつつ、そのなかで中国政府に市場開放と為替改革の迅速化を求めることは確実な状況と言えそうだ。

周知のように、中国は外から強い圧利を加えられると、逆に意固地になるという特徴がある。実際、中国サイドからは「中国の目標は市場に人民元の価値決定させること」あるいは「外貨の分散に関して、市場の力が基本的役割」などといった米国に対する牽制的な発言も聞かれている。
そのため、表立ってあまり強い圧力を加えることは厳禁だが、とは言え米国サイドも上記のような豪華なメンバーで訪中するだけに手ぶらで帰ることは出来ないだろう。

果たしてどこが落とし所になるのか、人民元の切り上げがあるのかどうか、今月中旬具体的には14、15日ごろをメドとした米中の激しいバトルには注意する必要がありそうだ。(了)



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