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2011年03月09日
◎荒れ易い3月相場

< 経験則通り2月は陰線に >

2月のドル/円相場は経験則の観点から、「月足が陰線となる確率は高い」---などと言われているが、案の定今年の2月相場も月足は陰線引けとなった。

さて、そんな状況を踏まえたうえで、新しく始まった3月の相場動向を考えてみたい。
2月に負けず劣らず、経験則的にはなかなか興味深い事象がうかがえる。

< 一年でもっとも動く3月相場 >

3月といえば、日本は多くの企業にとって決算期末にあたる。そのため決算対策のひとつとして「リパトリ」と呼ばれる、海外資産を売却し国内に資金還流する動きがマーケットで断続的に観測されやすい。つまり、3月相場は需給的に見て「ドル安・円高」に振れるイメージが強いのかも知れない。

しかし、実際に過去に遡ってデータを調べてみると、必ずしもそうとばかりは言えないようだ。筆者の調査では90年以降昨年まで21年間の勝敗は8勝13敗だった。確かにドル安方向が「有利」ではあるものの、勝率に換算するとそれでも6割程度に過ぎない。

一方で、3月相場に別の特徴はないのか調べてみたところ、大きく2つ発見した。
うちひとつは、方向性を別にして平均すると「年間を通してもっとも値動きのある月」であると言うことだ。紙幅の関係で具体例は省くが、それも00年以降に比較的大きな変動が数多く見て取れる。

また、もうひとつ特徴は月間を通して「比較的一方向に値が動き易い」ということになる。別の言い方をすると、ドル高orドル安の方向性までは判らないが、3月相場はいったん動き始めると一気にトレンドが出て大きく動意づく危険性を孕んでいると言えるかもしれない。
期待半分、不安半分といったところだが状況を見守りたい。(了)



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