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2011年08月31日
◎円の適正水準は?

< BM指数では「ほぼ適正」 >

先日の読売新聞に興味深い記事が掲載されていた。お読みになったという方もいると思うが、内容的にはいわゆる「ビッグマック指数」について書かれたものになる。

そして、その「ビッグマック指数」を参考に、「今回の円高水準が極端な水準ではないとの見方もできる」「これが海外から、まだ円を買う余地があると見られる一因になっている」---などと結論付けられていた。

< 他の購買力平価では円高行き過ぎ >

ご存じない方は少ないと思うが、最初に「ビッグマック指数」とはなにかをごく簡単に説明しておく。

ある種の購買力平価になるのだが、世界中で売られているマクドナルドの「ビッグマック」は同一の品質であると考え、その各国価格を参考に為替の適正レートを考える手法になる。たとえば、米国でビッグマックが仮に1ドルであり、日本では100円だったならば、ビッグマックを介した為替相場は「1ドル=100円」が適正だという考えだ。

そんな状況を頭に入れ、実際のビッグマック価格を調べてみると、米国の4.07ドルに対し、日本の価格は320円だった。計算すると、1ドルはおよそ78.60円であり、80円を割り込んでいる現状の実勢相場にきわめて近い。

なるほど、そうした意味では先の読売新聞の記事にも納得できる部分はあるものの、そんな「ビッグマック」指数だけを取って「こうしたことが、日本の円売り市場介入について欧米から理解を得られないことにもつながっている」---などとする論評はいささか強引過ぎると思う。

実際、「ビッグマック指数」以外の幾つかのお手軽購買力平価を参考にした場合、1ドル=70円台はやはり行き過ぎている気がしないではない。(了)



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