TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2011年12月07日
◎来年もドル/円は小動きか

< 米大統領選実施は小動き >

今年も残り一ヵ月となった。巷間では「来年の話をすると鬼が笑う」などと言うけれども、そろそろ笑いも出ないタイミングだろう。

さて、今年のドル/円相場が過去にも珍しい極めて小動きに留まっていることは以前にもレポートしたが、経験則からすると実は来年のドル/円相場も大きな変動を予想しにくい。これは来年が米大統領選挙の実施年に当たるためだ。2年連続の小動きに留まる可能性もある。

< 平均12−13%の変動 >

為替市場には「米大統領選の相場は小動きに留まる」---とのジンクスがあることは良く知られている。

実際に過去を振り返ると、前回08年は22.1%と平均(17%強)を上回る変動だったが、前々回04年の12.2%など、およそ12−13%の変動が一般的だ。

何故そうした傾向がうかがえるのか。理由は幾つかあるものの「米政権が出来るだけ為替を安定させようとする」ことは無視できない。
ただし、ここでいう「為替の安定」とは、当然「米国にとって都合のよい方向」で。したがって、前回08年のドル/円相場のように当初は「米国に都合のよいレベル」になかった場合、大統領選に向けて「レベルを是正」させる動きから、結果として大きく変動することもなくはない。

翻って、ここ最近の相場はどうかと言うと、「米国にとって都合のよいレベルにある」と考えられる。さらに、そもそも論として大統領選に向けたレベルの是正は米国からの輸出促進を背景としたものだが、日米貿易関係に以前のような緊張感は感じられない。
とすれば、来年は基本的に「経験則通り」、つまり小動きに留まる公算が大きいのかも知れない。2年連続の小動きは不可避なのだろうか。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved