個人投資家の方は、押しなべてチャート分析が大好きだ。 筆者も講演というか、勉強会というかの席で話をさせてもらうことがたまにあるけれど、依頼の大半は「テクニカル分析について」。たしかに自分で分析もしますが、ホンの手慰み程度ですからね。
実際、筆者より数段詳しい個人投資家の方もいらっしゃいますし。過去には名称を聞いたことはあるが、実際にどんなチャートなのか見たことない分析方法について質問され、青くなった経験もあります(笑)。
でも、その一方で間違った解釈から勘違いをした分析をされる方も少なくない。 いまでも良く覚えているのは、エリオット波動についての質問で「○○○円から3波動目が始まったと思うのですが、どう思いますか」−−というもの。ところが、どこをどう探してもそのレートが見当たらない。仕方ないので、「スイマセン。○○○円をつけたのはいつのことですか」と聞くと、「△月△日です」という。それって本日のことじゃない・・・。目を皿のようにしたが、やっぱりレートが確認出来なかった。 さらに、「1波動目が始まったと考えるレートは幾らですか」と尋ねると、「×××円です」−−。残念ながら、そちらも見つけられず・・・。
そんな噛み合わない不毛な議論がしばらく続いたのだが、最後の最後に謎がようやく解けた。なんと質問している方は、1分足のチャートでエリオット波動のカウンティングをしていたのだ。そらぁ判らんよ・・・。 筆者も1分足で波動カウンティングしたことはないので、的中率のような話になると良く判らない。もちろん、その方にとって使い勝手がよいのであれば文句をいう筋合いはないのだが、教科書的には失礼ながら無駄なこと・意味のないことをしているように感じた。
同様の事例というものは幾らもある。「新値3本足」の変形版として、「10本足」とかね−−。それだと売買シグナルが点灯するころ、トレンドが再び変わっている可能性が高いと思いますが・・・。
偉そうに書いてきたが、筆者もテクニカル分析に関していえば「シロウトに毛の生えた程度」ですから。 普遍性の高い便利なツールだと思うし、いまはどこの会社でも口座を作れば自由に使えるものですからね。ただし、同じ「絵」を見てもそれを正反対に解釈することもあるのがチャートの世界。それが難しくもあり、また面白くもあるんですが。 ▲top |