再び中韓の話。
安倍首相による電撃的な靖国神社訪問が波紋を広げている。
ちょうど、その3-4日前に朝日新聞が「年内の参拝は見送り」なんて報じていたし、前回書いたように取材のなかで外交ルートにて米国からクギを刺されていたと聞いていたから、筆者も「当然ないもの」という頭になってしまっていた。それが突然の実施だったから、当日は結構慌てふためきましたね(苦笑)。
最初は知人のインターバンク・ディーラーから久しぶりに電話があってね。 「今日の午前中に参拝するという噂が飛び交っているんだけど、何か知っている?」−−と。
そんな靖国参拝、筆者は「当然」とは思わないけれど、別に悪いことをしたのは思わない。敢えて、「良し悪し」のどちらか選べと言われれば、「良し」にするし。
ただ、この問題について、思うことが大きく2つある。
ひとつは日本のマスコミ報道の不自然さと、これまで日本政府が行ってきた(いや、してこなかった?)ロビー活動の無能さ、についてだ。
後者から説明すると、中韓が反発することは分かるし、米国が怒る理由もわかる。 先にも書いたように、外交ルートを通じてクギを刺していたにもかかわらずの参拝なのだから。
けれど、個人的に意外だったのは欧州諸国からの反発だ。えっ!?って思いました。
内政干渉かどうかという問題も当然あるけれど、それ以前に状況が「大きく勘違いされているなぁ」と思いますね。国連でもG8でもイイから、もっともっとキチンと説明する機会などをしっかり作るべきなのでは?
もっと本音を言うと、「これから」ではなく、「これまで」に説明しておくべきだったと思いますけどね。 「阿吽の呼吸」で黙っていてもわかってくれる、なんてこと国内はともかく、海外では通用しませんから。日本ってホントに外交下手。「カミソリ外相」と言われた陸奥宗光さんのような傑出した人物が登場しないものですかねぇ〜。
キチンとした説明をしない、という点では日本のマスコミも同じです。
「中韓が○○と反発している」という事実を伝えることももちろん大事ですが、何故そうなったのかの経緯や、誤解あるいは曲解していることを修正しようという気概はまったく感じられません。
報道機関のスタンスとしては正直?マークを付けざるを得ませんね。 日中あるいは日韓の危機、なんて内容だけなら単なる一般人にだってわかるし、誰にでも言えること。
なんというか、日本のマスコミももっともっとレベルアップをしないと、世界から取り残されるよ。 ちなみに、筆者の在籍する世界、金融業界では急速な日本の新聞離れが進んでいます。フィナンシャル・タイムズとかワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルなど欧米紙を読んでおけば十分、という方たちも少なくありませんから・・・・・・。
P.S. 明日も「フル」で仕事をしますが、年内は当稿を最後とします。また年初も2日から仕事(金融業の悲しさ・・・・・・)ですが、ここは6日(月)からになります。
本当に今年一年お世話になりました。末筆になりますが、この場を借りて関係各位には御礼をさせていただきます。ありがとうございます。
皆さまも、是非とも楽しい年末・年始をお過ごしください。 来年が皆さまにとって、良い年になりますように。
▲top |