以前に何度か書いた記憶がある。筆者は推理小説が大好きだが、「推理ドラマ」はほぼ見たことがない。
「土曜ワイド劇場」のような単発2時間ドラマもそうだし、連続ドラマもまずみない。
だから、大人気といって良いと思うが、テレ朝の「相棒」も、これまで一度も見たことがありません・・・・・・。
なので、テレビドラマに関する話を、あれこれ語るのはお門違いのような気もするのだが、ネットニュースを見ていると、推理小説が原作のドラマについての記事をよく見るので、「原作しか読んでいない人間」からの観点で、少し書いてみたい。
たとえば、先日(?)までやっていたドラマで「貴族探偵」というものがあった。
フジテレビが社運をかけて豪華メンバーを繰り出したにもかかわらず、視聴率はいまひとつ振るわなかったようだ。
先にも書いたけれど、筆者はこのドラマ、一秒たりともみていないので、ピントのズレた指摘になるかもしれないが、失礼だけど「当然ではないか」という気がする。
みていないので、「キャストがどう」とか「演技がどう」とか、そんなことは一切言わない。だって、わからないので。
けれど、麻耶雄嵩さん原作の、あの本をドラマ化する時点で、そもそも無理があったのではないかと思う。
筆者のような推理小説好きには釈迦に説法だが、麻耶さんの小説って、そもそも「解答編」にものすごい特徴がある。誤解を恐れずにいえば、「わかりにくい」だけでなく、「スッキリしない」ものも多い。たとえば、謎が謎のまま解決せずに「積み残し」され、エンドを迎えるという小説も、結構多いのだ。
これは、「貴族探偵」の原作本についてもそうで、だから筆者は「どうやって折り合いをつけたのだろう?テレビらしく、スッキリした解決になっているのだろうか?」と、おそらく世間一般の人とは逆の意味で興味がありました(苦笑)。
そのあたり、ドラマではちゃんと出来ていたのだろうか???
一方、最近人気の高いドラマとして、「警視庁いきもの係」があるが、これも原作ファンからすると、「当然」という気がしている。
原作者の大倉崇裕さんは、「落語もの」や「山岳もの」が有名で、それぞれ面白い作品を幾つも書いているけれど、「いきもの係」はまったく毛色が違う。これは100%筆者の推測だが、たぶん最初からテレビドラマを意識して、書いた小説ではないかと思うのだ。
それもあり、配役その他に「しっくりくる」という人が多いのでは?無理がない、というか・・・・・・。
あと、筆者のような人間に言わせると、麻耶さんに比べて解答編が簡単というか、分かりやすいしね。そのあたりも人気の秘訣なんだろうと思いますね。
いずれにしても、ドラマを作る人は、もっと原作を読み込むというか、そういう作業をした方がいいのでは?偉そうに言うようだが、筆者もそうだし、筆者の周りの推理小説愛好家や好事家はみんなほぼ「あのドラマは当たる」とか、そんなことを放送前に当てますよ。キャストなどが告知される前でもね。
なお、かなり偉そうに語ったので、最後に「ほぼ確実にあたる」と予想している原作本を2つご紹介したい。言いっ放しではなく、少しはリスクを取らないとね(苦笑)。
ひとつは、加藤実秋さんの「クマ刑事」シリーズで、これは鉄板だと思う。 そして、もうひとつは、鯨統一郎さんの「アルキ女デス」シリーズだ。こちらはチョッと「癖がある」ので見せ方に少し工夫が必要だけど、キャストがはまれば、結構面白い仕上がりになるんじゃないかな。
どこかのテレビ局で、ドラマ化しないかな?そこそこ視聴率が撮れる、って勝手に思っているんだけどさ・・・・・・(苦笑)。
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